映画「けんかえれじい」

けんかえれじいけんかえれじい
高橋英樹                       浅野順子

今回は鈴木清順監督1966年製作「けんかえれじい」をピックアップする。
本作は、昭和10年頃の旧制中学において”バンカラ”と呼ばれた少年たちが喧嘩に明け暮れる日々を描いた鈴木隆氏の同名小説が原作で、新藤兼人氏(監督)が脚本を書かれた。
鈴木清順監督は、「脇役が面白くない」などの理由で脚本に大幅な改変を加え、更に原作にも脚本にもない北一輝と主人公との遭遇を追加し、撮影中にも即興演出による改変を加えたそうだ。主演の高橋英樹さんが22歳の時に撮られた作品である。

【当プログで紹介した鈴木清順監督作品】
1960年「すべてが狂ってる
1966年「東京流れ者
1966年「けんかえれじい
1966年「河内カルメン
1980年「ツィゴイネルワイゼン

【追記・訃報】
「ツィゴイネルワイゼン」「オペレッタ狸御殿」などで知られた映画監督の鈴木清順氏(すずき・せいじゅん、本名・鈴木清太郎=すずき・せいたろう)が2017年2月13日午後7時32分、慢性閉塞性肺疾患のため東京都内の病院で亡くなった。93歳。東京都出身。葬儀・告別式は故人の遺志により近親者のみで執り行われた。喪主は妻・崇子(たかこ)さん。1923年(大12)生まれ。1948年に松竹入り、54年に日活に移籍し、56年「港の乾杯 勝利をわが手に」で監督デビュー。赤木圭一郎主演の「素っ裸の年齢」、小林旭主演「関東無宿」、渡哲也主演「東京流れ者」、高橋英樹主演「けんかえれじい」など独特の色彩感覚を生かした作品で人気を集めた。のちにカルト的な人気となった1967年「殺しの烙印」を最後に「分からない映画ばかり撮る」と日活を解雇されたが、1971年に裁判の末に和解。1977年「悲恋物語」で監督業に復帰した。1980年「ツィゴイネルワイゼン」が国内外で高く評価され、ベルリン国際映画祭で審査員特別賞に輝いたほか、日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞などを受賞。その後、「陽炎座」「夢二」などを発表し、第58回カンヌ国際映画祭で栄誉上映特別作品として招待された2005年の「オペレッタ狸御殿」が遺作となった。1990年紫綬褒章。スポニチアネックス 2/22(水) 14:52配

けんかえれじいけんかえれじい

【ストリー】
岡山中学の名物男南部麒六(高橋英樹)は“喧嘩キロク”として有名だ。キロクに喧嘩のコツを教えるのが、先輩のスッポン(川津祐介)。そのスッポンのすすめでキロクは、OSMS団に入団した。OSMS団とは岡山中学五年生タクアン(片岡光雄)を団長とするガリガリの硬派集団だ。そのOSMS団と関中のカッパ団とが対決した。キロクの暴れぶりは凄まじく、この喧嘩で忽ち副団長となった。だが、キロクにも悩みはあった。下宿先の娘道子(浅野順子)が大好きで、硬派の手前道子とは口もきけないからだ。反対に道子は一向に平気でキロクと口を聞き、野蛮人のケンカ・キロクには情操教育が必要とばかり、彼女の部屋にキロクを引き入れてピアノを練習させる始末だ。そのうえ、夜の散歩には必ずキロクを誘いだした。ケンカに強いが女にゃ弱い。キロクはガタガタふるえるばかり。この二人の道行きをタクアンが見つけたからおさまらない。硬派にあるまじき振舞いとばかり、キロクを殴りつけようとした。それと知ったスッポン先輩がかけつけて、その場は何とか切り抜けたが、キロクの道子病は重くなるばかり。その煩悩をたち切ろうと、学校では殊更暴れ廻り、配属将校と喧嘩したため、若松の喜多方中学校に追い出されてしまった。しかし、転校一日目にして、喧嘩キロクの名前は全校にひろまってしまった。会津中学の昭和白虎隊と名乗る三人組をやっつけたからだ。この喧嘩は大喧嘩に発展した。昭和白虎隊がキロクに宣戦布告をしたからだ。キロクには喜多方中学の硬派が続々と集り、決戦の場会津鶴ケ城でしゆうを決することになった。この大喧嘩は町中の評判となり、キロクは停学処分をうけた。下宿でポツンと一人で居るキロクのところに、珍客が現われた。はるばる岡山から道子が尋ねて来たのだ。感動の面持ちで、じっと道子をみつめるキロクに道子が思いがけないことを告げた。道子は長崎の修道院に入るというのだ。キロクは絶望のどん底にたたきこまれる思いだった。このつらさを忘れるためにも、もっともっと暴れまわらなけりゃならない、喧嘩しなければならないとキロクは思うのだった。

けんかえれじいけんかえれじい
宮城千賀子、浅野順子

題名:けんかえれじい
監督:鈴木清順
企画:大塚和
原作:鈴木隆
脚本:新藤兼人
撮影:萩原憲治
照明:熊谷秀夫
録音:秋野能伸
美術:木村威夫
凝斗:高瀬将敏
編集:丹治睦夫
音楽:山本直純
製作主任:山野井政則
助監督:葛生雅美
スチール:浅石靖
出演:高橋英樹、浅野順子、川津祐介、宮城千賀子、加藤武、浜村純、佐野浅夫、松尾嘉代、片岡光雄、野呂圭介、前田武彦、長弘、玉川伊佐男
1966年日本・日活/シネスコサイズ・モノクロ86分35mmフィルム
けんかえれじい [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

けんかえれじいけんかえれじい

映画「危いことなら銭になる」

危いことなら銭になる危いことなら銭になる
宍戸錠                     長門裕之、宍戸錠

今回は中平康監督1962年製作「危いことなら銭になる」をピックアップする。
本作は、都筑道夫氏原作「紙の罠」をコメディアクションとして映画化したもので、名匠姫田真佐久氏が撮影を担当されている。どことなくアニメ「ルパン三世」に雰囲気が似ているなと思ったら、脚本の山崎忠昭氏が後に「ルパン三世」も手掛けたそうだ。

【追記・訃報】
「エースのジョー」の愛称で親しまれ、アクションスターとして日活の黄金期を支えた俳優の宍戸錠(ししど・じょう、本名同じ)さんが2019年1月21日に死去した。86歳。大阪市生まれ。関係者によると、都内の自宅で倒れていたという。あくの強さを出すため豊頬(ほうきょう)手術を受け、膨らんだ頬がトレードマークだった。日大芸術学部在学中の1954年、日活の第1期ニューフェイスに合格。翌55年に「警察日記」で本格デビューし、二枚目スターとして売り出されたが、自ら進んで豊頬手術を受け、敵役として活路を開いた。小林旭主演の「渡り鳥」「流れ者」シリーズや故赤木圭一郎さん主演の「拳銃無頼帖」シリーズに敵役として登場。時に主役を食う人気を博した。70年代になるとテレビにも進出し、「巨泉×前武のゲバゲバ90分」「カリキュラマシーン」「元祖どっきりカメラ」などのバラエティーにも出演。1982~83年にはフジテレビ系「くいしん坊!万才」にレポーターとして出演し、長男で俳優の宍戸開ものちにレポーターを務めた。10年4月に元女優でエッセイストの宍戸游子(ゆうこ)さんががんのため77歳で死去。2013年2月には東京・世田谷区上祖師谷の自宅が全焼する被害に遭うなど、晩年は悲しい出来事が続いた。
最終更新:2020/1/821(火) 16:45 スポニチアネックス

危いことなら銭になる009
世田谷通り(津久井街道)       長門裕之、宍戸錠、草薙幸二郎、浅丘ルリ子

ファーストシーンの街道は、世田谷通りの登戸(手前)付近だ。川は多摩川でその向こうには小田急線の鉄橋がある。その後の変貌ぶりは驚くばかりだが、若い人で、初めて本作を見た方は分からないであろう。日活撮影所内スタジオと当時あったオープンセット、近場のロケという香盤だった様だ。

危いことなら銭になる危いことなら銭になる
浅丘ルリ子                     浅丘ルリ子

【ストリー】
紙幣印刷用のスカシ入り和紙十億八千万円相当が強奪され運転手二人が殺された。臨時ニュースを聞いてニヤリと笑ったのは拳銃無敵の腕前ながらガラスを擦る音には全く弱いガラスのジョー、計算機の哲、ブル健。三人の目的は紙を盗んだ連中に贋幣の名人坂本老人を高く売りこむことだ。ところが肝心の名人をさらったのは秀と修という二人の殺し屋、運転手を刺した張本人だ。ジョーが秀の平和ビルに乗りこんでみると、意外にも秋山とも子という若い美人が一人いるだけ。パリの柔道教師を夢みるとも子は、大学に通うかたわらアルバイトをしていたのだった。ここハマのキャバレー“アカプルコ”の地下室では、坂本名人がせっせと銅版をほっていた。アカプルコの周辺には、黒ずくめの殺し屋がそこかしこにひそんでいた。情報を聞きこんだジョーも強引についてきたとも子と様子をうかがっていたが、何とブル健がダンブカーで店先に飛びこんだ。その夜、どさくさにまぎれて名人をかっぱらったのは計算機の哲だった。初めはジョーが名人を奪ったが、ガラスの音にひるんだ隙に連れていかれたのだ。その哲は得意の計算どおりと、警視庁のロビーで名人の引き渡しをボスに約束した。まさに引き渡しが行われようとしたとき、ジョーの妨害で計画は失敗に帰した。ところで和紙は平和ビルのなかに保管されていたが、ふとしたことからとも子がこれをかぎつけて、ワゴンに積んで逃げ出した。一方、ジョーは計算機、ブル健と三人協同で平和ビルにのりこむと、ボスの一味と凄惨な拳銃戦を展開した。死闘のはて、何千枚と刷り出されたニセ札を発見して狂喜乱舞したジョーたちは、それを計画通り外国人の王とドル交換した。しかし、そのドルも坂本名人の手になるニセ札だと分るのに時間はかからなかった。

危いことなら銭になる危いことなら銭になる

題名:危いことなら銭になる
監督:中平康
企画:久保圭之介
原作:都筑道夫「紙の罠」
脚本:隆慶一郎、山崎忠昭
撮影:姫田真佐久
照明:岩木保夫
美術:大鶴泰弘
特技:金田啓治
録音:福島信雅
編集:丹治睦夫
音楽:伊部晴美
色彩計測:安藤庄平
現像:東洋現像所
スチール:井本俊康
出演:宍戸錠、長門裕之、浅丘ルリ子、草薙幸二郎、左卜全、武智豊子、浜田寅彦、平田大三郎、郷えい治、井上昭文、藤村有弘、野呂圭介
1962年日本・日活/シネスコサイズ・カラー82分35mmフィルム
危いことなら銭になる HDリマスター版 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

危いことなら銭になる危いことなら銭になる
宍戸錠、左卜全               宍戸錠、井上昭文

 

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