映画「静かなる決闘」


三船敏郎                              三条美紀

今回は黒澤明監督1949年製作「静かなる決闘」をピックアップする。
本作は、東宝が第3次東宝争議によって映画撮影が困難だった時期に、黒澤監督は、山本嘉次郎、谷口千吉、本木荘二郎らと映画芸術協会を設立して東宝を脱退し、大映で制作した作品。前作「酔いどれ天使(東宝制作)」に続いて三船敏郎さんと志村喬さんが共演し、志村喬さんは同じ医師役である。本作を見終わって、黒澤明監督のテーマの選び方と先見性の凄さに驚かされる。


三船敏郎、志村喬                    千石規子、三船敏郎

【ストリー】
藤崎恭二(三船敏郎)は軍医であった。前線の野戦病院、次から次に運び込まれる負傷兵、患者、恭二は休む暇もなく手術台の側に立ち続けねばならなかった。陸軍上等兵中田龍夫(植村謙二郎)は下腹部盲腸で一命危ないところを、恭二の心魂こめた手術が成功してとりとめた。ところが中田は相当悪性の梅毒で、恭二はちょっとした不注意のため小指にキズを作り、それから病毒に感染した。敗戦後、恭二は父親(志村喬)の病院で献身的に働いていた。が、薬品のない戦地で、恭二の病気は相当にこじれていた。父にも打ち明けず、彼は深夜ひそかにサルバルサンの注射を打ち続けていた。思わしい効果は現れて来なかった。彼には許婚者松木美佐緒(三条美紀)という優しい女性があった。彼女にも無論病気の事は話してなかった。復員後すっかり変わってしまった恭二に美佐緒は何としても納得しかねる気持ちがあった。6年間も待ちつづけた恋しい人だったのに。まるで結婚の事は考えていない様子の恭二、隠している事があるに違いないのだ。彼女は根ほり葉ほり聞きだそうとしているが、一ツの線からは一歩も踏み込ませようとしない。間に入って困る父親、そして遂に何もかも判る時が来た。


三条美紀、三船敏郎                三船敏郎、町田博子、中北千枝子

題名:静かなる決闘
監督:黒澤明
企画:本木荘二郎、市川久夫
原作:菊田一夫「堕胎医」
脚本:黒澤明、谷口千吉
撮影:相坂操一
照明:柴田恒吉
録音:長谷川光雄
音効:花岡勝次郎
美術:今井高一
装置:石崎喜一
小道具:神田一郎
背景:西牧恭平
園芸:坂根喜次郎
電飾:横手三四郎
技髪:牧野正雄
結髪:田中つねえ
衣裳:藤木しげ
移動:大久保松雄
編集:辻井正則
記録:古川八千恵
音楽:伊福部昭
製作主任:川本武夫
俳優事務:相川好子
出演:三船敏郎、志村喬、三条美紀、千石規子、植村謙二郎、中北千枝子、宮崎準之助、山口勇、松本茂
1949年日本・大映東京撮影所/スタンダードサイズ・モノクロ94分
静かなる決闘 -DVD-
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三船敏郎、植村謙二郎                      三船敏郎

静かなる決闘