映画「悪名桜」

悪名桜悪名桜
田宮二郎、勝新太郎                   市原悦子

今回は田中徳三監督1966年製作「悪名桜」をピックアップする。
全15作が製作された勝新太郎さんと 田宮二郎さんのコンビが冴える”悪名シリーズ”の第13作になる。
今作は、朝吉と清次のコンビが堅気となって街の一角でやきとり屋を営んでいる事から始まる。毎作、拳銃などで武装した暴力団に素手で立ち向かう設定に違和感が残るが、不良少年を更生させようとしたり、朝吉の幼馴染である菊枝(市原悦子)が押しかけ女房になったりとプロットにマンネリ回避の試みが見られる。

悪名シリーズ

悪名桜悪名桜
藤岡琢也                        沢村貞子

【ストリー】
大阪周辺の繁華街でやきとり屋になっていた朝吉(勝新太郎)と清次(田宮二郎)は暴力団に襲われた新聞記者(浜田雄史)を助けて一躍街の英雄にされたが、朝吉を刺しにきた愚連隊の少年猛(酒井修)は、逆に朝吉に捕まってーやきとり屋を手伝わされることになった。また、八尾からやってきた幼馴染の菊枝(市原悦子)は、朝吉の父の死水をとってきたといい、その遺言で女房にしてほしいと居坐ってしまった。悪名の報いで父の墓参さえ許されぬ朝吉だけに、猛をまともにしてやりたく、その親沢村亀之助(多々良純)をたずねた。ところが、朝吉らの家主であり界隈の大地主でもある沢村は、妻房枝(沢村貞子)と共に体面ばかりを重んじて、朝吉の意をくまぬばかりか、息子猛がやきとり屋にいることを嫌い、なじみのやくざ大鯛組に取戻し方を頼んだ。朝吉は意地でも猛を真人間に叩きあげる決意をした。だが、ある日大鯛組が大挙してやきとり屋になぐり込み、朝吉や清次の奪戦も空しく、家はこわされ猛は脱走してしまった。そんな折も折、清次は菊枝が妊娠しているのを知り、朝吉の子だと誤解し、愛相をつかして去っていった。しかし、菊枝はいきずりの男にだまされて子をはらんでいたのだ。そんなこととは知らぬ清次は、出かけの駄賃にと、大鯛組の後藤(須賀不二男)をおどし、20万円を捲きあげて朝吉の家へ投げこんだ。また猛は大鯛組のやくざと争って一人を傷つけ、ABCクラブへ駆けこんだ。ABCクラブの組長乾は猛をダシに沢村と手を握り、界隈に娯楽センターを作り、その共同経営をすすめた。やがて大鯛組、ABCクラブ、沢村、それに朝吉とそれぞれの思惑が入乱れ、虚々実実のかけ引きが展開された。そんなある目、ABC幹部におだてられだ猛は、大鯛組の幹部後藤を射殺し、朝吉の家へとびこんできた。朝吉は誤解をとき、舞いもどってきた清次同道で猛を自首させることにしたが、途中猛はABC組員に射殺された。憤懣やるかたない朝吉は、菊枝を八尾に送りかえすと、清次とともに、ABCクラブ、次いで大鯛組となぐりこみ完膚なきまでに二つの組をたたきのめし、旅にでていった。それから数日、朝吉と清次のもとに、菊枝から三つ児が生れたという、明るい知せが届いた。

悪名桜悪名桜
多々良純                        酒井修
悪名桜悪名桜
須賀不二男                       悪名桜

題名:悪名桜
監督:田中徳三
企画:財前定生
原作:今東光
脚本:依田義賢
撮影:宮川一夫
照明:中岡源権
録音:大角正夫
美術:西岡善信
擬斗:楠本栄一
編集:菅沼完二
音楽:鏑木創
現像:東洋現像所
製作主任:小沢宏
助監督:土井茂
スチール:藤岡輝夫
出演:勝新太郎、田宮二郎、市原悦子、須賀不二男、藤岡琢也、沢村貞子、多々良純、酒井修、守田学、高杉玄、浜田雄史
1966年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー86分35mmフィルム
悪名桜 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

悪名桜悪名桜
市原悦子                     勝新太郎、田宮二郎

映画「座頭市地獄旅」

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
勝新太郎                       岩崎加根子
座頭市地獄旅座頭市地獄旅
成田三樹夫                     林千鶴、山本学

今回は三隅研次監督1965年製作「座頭市地獄旅」をピックアップする。
本作は、“座頭市”シリーズ”第12作目になる。練った脚本で3つのシークエンスが、徐々に緊迫感を高めて向かえるクライマックスまで無駄のない展開に完成度の高さを観る。シリーズもので12作も続けるとテンプレートはあるものの、アイディアの枯渇に突き当たるものだが、よく考えられている作品だと思う。

座頭市シリーズ

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
藤岡琢也                         戸浦六宏

【ストリー】
富士の初日の出を拝もうと旅に出た座頭市(勝新太郎)は、道中襲ってきた5人のやくざを一瞬の早業で手ひどい傷を負わせた。5人組は傷がいえると市を追って旅に出た。その頃市は、江の島まで船旅としゃれこんでいたが、途中船内でイカサマばくちをしているのを知り、逆にイカサマを利用して多額の金をまきあげた。そこで市は、無頼の将棋好きの浪人十文字糺(成田三樹夫)を知った。江の島に着いた市は、船中にいたイカサマ師の親分江島屋(遠藤辰雄)に呼びつけられ、白刃にとりかこまれたが、市の手練の早業で江島屋たちは退散した。が、この騒動で通りがかりの門付け芸人お種(岩崎加根子)の連れていた娘ミキ(藤山直子)が負傷した。傷は悪化して破傷風となった。責任を感じた市は、破傷風の特効薬である南蛮渡りの生薬を買うために十文字からゆずり受けた十文叩きの妙技で金を集めた。市の買いあたえた生薬でミキの傷は全快した。ところが、ミキを連れて湯治に来た箱根で、市はもみ療治をした縁から、病身の若侍友之進(山本学)とその妹粂(林千鶴)、それに彼らの仲間六平(丸井太郎)と知りあった。友之進らは父の仇を探して放浪の身の上であった。だがある夜仇の顔を知る唯一の男六平が、ツリ糸のようなもので殺された。そして翌朝市は六平が殺された弁天池に、十文字愛用のウキが浮んでいるのをひろった。市の十文字への疑惑がひろがっていった。これを察したのか十文字もそれ以来市に対して殺気をただよわせるようになった。さらに友之進の証言で仇は将棋好きで得意の絶頂に指を鳴らす妙なくせがあることを知った。もう間違いはなかった。それこそ市と将棋をやるときにみせる十文字のくせなのだ。翌日、市と十文字は傷のいえたミキとお種を連れて宿を立った。曲りくねった箱根の山中、頭の中で将棋を指しながら歩く二人は互に対決の機の熟すのをうかがっていた。一瞬二人の白刃が躍った。が倒れたのは十文字だった。追いかけてきた5人組を得意の抜き打ちで倒した市は彼を慕って呼ぶミキの声を背に、一人山道を去っていくのだった。

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
成田三樹夫、勝新太郎                  座頭市地獄旅

題名:座頭市地獄旅
監督:三隅研次
企画:奥田久司
原作:子母沢寛
脚本:伊藤大輔
撮影:牧浦地志
照明:古谷賢次
録音:大谷巖
美術:内藤昭
装置:梶谷和男
擬斗:宮内昌平
邦楽:中本敏生
編集:菅沼完二
音楽:伊福部昭
現像:東洋現像所
製作主任:吉岡徹
助監督:友枝稔議
スチール:三浦康寛
出演:勝新太郎、成田三樹夫、岩崎加根子、林千鶴、山本学、丸井太郎、五味龍太郎、戸浦六宏、遠藤辰雄、須賀不二男、北城寿太郎、藤岡琢也、伊達三郎、藤山直子
1965年日本・大映京都撮影所/シネスコサイズ・カラー87分35mmフィルム
座頭市地獄旅 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

座頭市地獄旅座頭市地獄旅
岩崎加根子、藤山直子                座頭市地獄旅

映画「シルクハットの大親分 ちょび髭の熊」


若山富三郎                       橘ますみ

今回は鈴木則文監督1970年製作「シルクハットの大親分 ちょび髭の熊」をピックアップする。
本作は、”緋牡丹博徒シリーズ”でお馴染みの人気者熊虎親分(若山富三郎)を主人公にしたスピンオフ企画第ニ弾最終作になる。1970年前半に第一弾「シルクハットの大親分」が制作された。


伊吹吾郎                       白木マリ

【ストリー】
四国道後の大親分、熊坂虎吉(若山富三郎)は道後温泉発展のためにと、一家をひきつれて熱海にやってきた。この地は源田産業や農商務次官の芦沢(須賀不二男)、それに東京の顔役、剣持(名和宏)をバックにもつ横川組の縄張りであった。熊虎はさっそくくつろいだ宿の女房お幸(白木マリ)を横川組の魔手から救って、貫禄を示すのだった。その熊虎の度胸にゾッコン惚れ込んでしまったのは小栗公爵(北龍二)だった。彼は日本で最初に自動車の輸入に成功した人物で、天皇陛下に献上する第一号車の運搬と警備役を熊虎に頼んだ。剣持、横川(守田学哉)らは妨害の秘策を重ねた。しかし熊虎は技師クラウス(オスマン・ユセフ)や小栗の部下、伊庭新吾(伊吹吾郎)と共に無事大任を果し終えた。ところが、小栗は「輸入許可」を正式に得ると、熊虎との関係をたちきることを伝えた。源田たちは、妨害をあきらめず、自動車爆破を計画した。行動を開始した横川に襲われた新吾を救おうとした熊虎は源田の銃弾を太腿にうけ、危機に瀕した。だが、その時颯爽と登場した兄弟分緋牡丹のお竜(藤純子)の助力でことなきを得た。一難去ってまた一難。自動車は整備中のクラウスと共にダイナマイトで吹き飛んだ。小栗と家令重兵衛(石山健二郎)も横川組の刃に襲われた。熊虎とお竜の我慢もそれまでだった。喧嘩仕度に身を固めた兄弟は、源田、剣持、横川、芦沢と、悪の根源を葬り去った。


安部徹                       若山富三郎

題名:シルクハットの大親分 ちょび髭の熊
監督:鈴木則文
企画:俊藤浩滋、松平乗道
脚本:高田宏治
撮影:塚越堅二
照明:長谷川武夫
録音:荒川輝彦
美術:石原昭
装置:稲田源兵衛
装飾:柴田澄
美粧・結髪:東和美粧
衣裳:高安彦司
擬斗:谷明憲臣
記録:牧野叔子
編集:堀池幸三
音楽:津島利章
進行主任:武久芳三
助監督:皆川隆之
スチール:杉本昭三
出演:若山富三郎、藤純子、伊吹吾郎、橘ますみ、白木マリ、石山健二郎、北龍二、名和宏、安部徹、オスマン・ユセフ、藤村有弘、守田学哉、須賀不二男、ルーキー新一、志賀勝、川谷拓三
1970年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー89分35mmフィルム
シルクハットの大親分 ちょび髭の熊 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


シルクハットの大親分               藤純子、若山富三郎


「シルクハットの大親分 ちょび髭の熊」藤純子

「シルクハットの大親分 ちょび髭の熊」藤純子

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