映画「誘惑」

誘惑誘惑
千田是也、芦川いづみ                 左幸子

今回は中平康監督1957年製作「誘惑」をピックアップした。
本作はフランソワ・トリュフォー監督やヌーヴェルヴァーグの作家たちに「孤高のニッポン・モダニス ト」と称された中平康監督が純愛をコミカルでモダンに描いた作品だ。
現代のアイドル顔負けの女優・芦川いづみさんは、出番は少ないもののドラマの核となる重要な役柄を清楚に演じ、そのラストシーンは素晴らしく凛としていた。また画伯の岡本太郎氏、東郷青児氏、大徳寺公英氏がカメオ出演しているのと1957年7月6日より営業運転を開始した初代小田急ロマンスカー3000形の実走シーンの歴史的価値は高い。ロケーションは、59年前の湯島天神(文京区)上野東照宮境内(台東区)麻布周辺(港区)銀座服部時計店、並木通り、築地周辺(中央区)井の頭公園(三鷹市)で行われている。

誘惑誘惑
千田是也                      葉山良二

【ストリー】
大正気質の杉本省吉(千田是也)は銀座の洋品店主。娘の秀子(左幸子)とやもめ暮しで、店の二階を画廊に改造しようと考えていた。洋品店には無愛想で化粧嫌いな竹山順子(渡辺美佐子)がいた。順子は他人の迷感も顧みない貧乏画家草平(安井昌二)にその美貌を指摘されるや、一転してお化粧に専念し、草平を恋するようになる。省吉の画廊が完成した。パーティの日に草平の画が、一流画伯の目にとまり、一躍有名となり発表会は連日盛況をきわめた。秀子は小平(葉山良二)の妹章子(芦川いづみ)のもとに草平の画が四、五点埋れているというので、それを持って章子と画廊に来た。省吉は驚いた。なぜなら、章子が初恋の人に瓜二つで、その娘だとわかったからだった・・・。

誘惑誘惑
渡辺美佐子                                                   安井昌二、渡辺美佐子

題名:誘惑
監督:中平康
製作:高木雅行
原作:伊藤整
脚本:大橋参吉
撮影:山崎善弘
照明:岩木保夫
録音:神谷正和
美術:松山崇
記録:堀北昌子
編集:辻井正則
音楽:黛敏郎
製作主任:山下昭
助監督:松尾昭典
出演:左幸子、芦川いづみ、葉山良二、轟夕起子、安井昌二、千田是也、渡辺美佐子、中原早苗、高友子、殿山泰司、二谷英明、宍戸錠、小沢昭一、初井言栄、天本英世、浜村純、岡本太郎、東郷青児、大徳寺公英
1957年日本・日活/スタンダードサイズ・モノクロ91分35mmフィルム
誘惑 [DVD]
2016年8月現在、DVDレンタルはありません。

誘惑誘惑
カメオ出演:岡本太郎、東郷青児         千田是也、芦川いづみ

麗しの芦川いづみさん


誘惑誘惑
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【当ブログで紹介した芦川いずみさん出演作品】
1956年川島雄三監督「風船
1956年川島雄三監督「洲崎パラダイス 赤信号
1957年川島雄三監督「幕末太陽傳
1957年中平康監督「誘惑
1962年蔵原惟繕監督「硝子のジョニー 野獣のように見えて
1962年西河克己監督「青い山脈
1964年森永健次郎監督「若草物語
1965年熊井啓監督「日本列島

【芦川いずみさんプロフィール】
東京市滝野川区田端町(現・北区田端)に生まれる。1952年法政大学潤光女子高校(現・法政大学女子高等学校)を中退し、松竹歌劇団付属松竹音楽舞踊学校に入学する。同期に野添ひとみ、姫ゆり子、山鳩くるみ(小林夕岐子の母とは別人)らがいた。この時、芸名を「芦川いづみ」とする。1953年、ファッション・ショーに出演中、偶然いあわせた松竹の川島雄三監督に認められ、川島監督の「東京マダムと大阪夫人」に、月丘夢路の妹役でデビューする。その後、1955年、日活に移った川島監督の推薦で松竹歌劇団を退団し日活に入社する。
その後、「幕末太陽傳」などの川島監督の作品をはじめ、様々な役に挑戦し、松竹から移ってきていた北原三とともに日活の中心的な存在となった。また、1956年には、田坂具隆監督の「乳母車」で石原裕次郎と初共演する。裕次郎はこの作品の演技で、新しい魅力を遺憾なく発揮し代表作の一つとしたが、芦川もさわやかな演技で人気を不動のものとした。以降、北原三枝とともに裕次郎の相手役として欠かせない存在となる。若い浅丘ルリ子にその座を譲ってからも日活を代表するトップ女優として活躍した。
一時、葉山良二とのロマンスが噂されたが、1968年に藤竜也と結婚して引退。家庭の人となった。
2007年11月17日、新宿の京王プラザホテルで開催された日活出身の俳優で構成する「俳優倶楽部」とスタッフらで構成する「旧友会」の合同パーティーに、渡哲也・浅丘ルリ子・宍戸錠・川地民夫・沢本忠雄・鈴木清順監督・井上梅次監督・齋藤武市監督・舛田利雄監督らと共に出席。久々に公の場に姿を見せ、話題になった。
2009年には石原裕次郎の二十三回忌、南田洋子の死去に際して、スポーツ新聞にコメントを寄せている。
(ウィキペディア参照)

【芦川いずみさん出演映画作品】
1953年「東京マダムと大阪夫人」
1955年「青春怪談」
1956年「風船」「東京の人」「洲崎パラダイス赤信号」「乳母車」
1957年「孤獨の人」「幕末太陽傳」「嵐を呼ぶ男」
1958年「佳人」「 陽のあたる坂道」「紅の翼」
1959年「祈るひと」
1960年「青年の樹」「やくざの詩 」「霧笛が俺を呼んでいる」「喧嘩太郎」「あした晴れるか」
1961年「あいつと私」「堂堂たる人生」「アラブの嵐」
1962年「硝子のジョニー 野獣のように見えて」「しろばんば」「青年の椅子」「憎いあンちくしょう」
1963年「青い山脈」「真白き富士の嶺」「美しい暦」
1964年「鉄火場破り」「若草物語」
1965年「日本列島」「四つの恋の物語」「結婚相談」
1966年「夜のバラを消せ」「嵐を呼ぶ男」
1967年「君は恋人」
1968年「大幹部無頼」「孤島の太陽」

映画「愛のお荷物」

愛のお荷物愛のお荷物
山村聡                        三橋達也

今回は川島雄三監督1955年製作「愛のお荷物」をピックアップする。
本作は、川島雄三監督日活移籍第一弾で戦後ベビーブーム、どんどん増え続ける人口問題に危機を感じる政治家達の無為無策と、一般の人々の無関心に対して、明るく人間味溢れる上品なくすぐりをもって痛烈に衝く、コメディドラマだ。出演は厚生大臣役に「あした来る人」の山村聰さん、その妻で40歳後半で懐妊する役を「洲崎パラダイス 赤信号」の軣夕起子さん、山田五十鈴さん、東野英治郎さん等のベテラン陣に、松竹から日活専属になった三橋達也さんが脇を固めている。

作品リスト

愛のお荷物愛のお荷物
高友子                     山村聡、三橋達也

【ストリー】
江戸時代からの薬種問屋で有名な新木長春丸本舗の当主新木錠三郎(山村聡)は、時の政府の厚生大臣で、野党の人口問題に関する追求を軽くさばいて、「受胎調節相談所設置法案」等の術策で人口の増加を食い止めようと考えていた。ところが彼が議会の厚生委員会で人口軽減に関する大演説を行っている頃、四十八歳になる夫人の蘭子さん(轟夕起子)は妊娠して産婦人科に行っていたのである。そればかりか、新木家の長男錠太郎君(三橋達也)はかねてから秘かに恋愛中だった父の秘書五代冴子(北原三枝)さんから愛のお荷物ができたらしいと打明けられていた。新木氏は政治的考慮と、末娘さくら(高友子)の結婚式が近いとの理由で蘭子夫人に人工流産をすすめようとする。さくらは、そんなゴタゴタで許婚の出羽小路君(フランキー堺)との結婚式が遅れることを何故か困っている様子だったが、実は近づく結婚が待ち切れず出羽小路君との間に愛のお荷物が出来てしまっていたのだ。而も錠太郎は新木家を飛び出して新生活に入ってしまう。その上驚いたことには新木家の御隠居箱根の別荘に住む錠造翁(東野英治郎)までが若い茶飲み友達との間にお荷物ができかねない有様である。折から錠三郎は京都へ遊説に行き、かつての恋人貝田そめ(山田五十鈴)に訪問され、彼女との間に出来た子供の存在を知らされて愕然となる。斯くして新木家の人口は一躍倍以上にはね上ることになった。女中のお照さん(小田切みき)と支配人の山口さん(殿山泰司)との間にも愛の結晶ができたらしい。さくらの結婚式は早められ、錠太郎達の結婚も認められた。そして新木家の御婦人たちは一斉にお芽出たの日を待つばかりとなったが、さて日本の人口問題はどうなるやら--。

愛のお荷物愛のお荷物
小沢昭一                      フランキー堺

題名:愛のお荷物
監督:川島雄三
製作:山本武
脚本:柳沢類寿、川島雄三
撮影:峰重義
照明:森年男
録音:福島信雅
美術:中村公彦
音楽:黛敏郎
製作主任:林本博佳
助監督:今村昌平
出演:三橋達也、山村聡、北原三枝、山田五十鈴、轟夕紀子、高友子、フランキー堺、小沢昭一、笠智衆、東野英治郎、小田切みき、菅井きん、殿山泰司
1955年日本・日活/スタンダードサイズ・モノクロ111分35mmフィルム
愛のお荷物 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

愛のお荷物愛のお荷物
菅井きん                       殿山泰司