映画「野良猫ロック マシン・アニマル」


梶芽衣子                               藤竜也

今回は長谷部安春監督1970年製作「野良猫ロック マシン・アニマル」をピックアップする。
本作は、野良猫ロックシリーズ4作目である。脚本に難がある作品だと思ったが、劇中登場して歌ったのは、青山ミチさん、梶芽衣子さんの実妹・太田とも子さん、沢村和子とピーターパン、ズーニーブー(尾崎紀世彦「また逢う日まで」の元歌)は貴重である。

【野良猫ロックシリーズ】
1970年「女番長 野良猫ロック」監督:長谷部安春/出演:和田アキ子、梶芽衣子
1970年「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」監督:藤田敏八/出演:梶芽衣子、范文雀
1970年「野良猫ロック セックス・ハンター」監督:長谷部安春/出演:梶芽衣子、安岡力也
1970年「野良猫ロック マシンアニマル」監督:長谷部安春/出演:梶芽衣子、范文雀、黒沢のり子
1970年「野良猫ロック 暴走集団’71」監督:藤田敏八/出演:梶芽衣子、原田芳雄、藤竜也(※公開は1971年)


范文雀                                  郷鍈治

【ストリー】
横浜の元町の一角に、マヤ(梶芽衣子)が率いる不良少女グループと佐倉(郷鍈治)が率いる「ドラゴン」と異名を取る不良グループが群れていた。ある日、一台のオンボロワゴンがこの町にやってくる。ノボ(藤竜也)、サブ(岡崎二朗)、チャーリー(山野俊也)の三人で、米軍の脱走兵であるチャーリーをスウェーデンに逃がすため、船の出る横浜に、岩国の基地からやって来たのだ。この奇妙な三人組に目を付けたマヤは、五百錠という大量のLSDを持っていることを探り出し、これを奪った。しかし、LSDを売った金をチャーリーの逃亡資金にすると聞かされ、マヤはLSDを返すことを約束、その上、薬を捌く手伝いを申し出た。翌日、さっそくマヤは薬捌きの早い佐倉へ話を持ちかけた。一方、隠れていたチャーリーはマヤの仲間エマ(黒沢のり子)からボーリングに誘われ、エマとゴーゴーバーのバーテン清水の罠に落ち、薬を奪われてしまった。その頃、マヤから薬の捌きを頼まれていた佐倉は、バーテンの清水が大量の薬を売り歩いている情報をキャッチし、清水を捕えて薬を横取りした。この事件を聞きつけたマヤたちが清水を見つけた時はすでに薬は佐倉の手に渡っていた。マヤはドラゴンと衝突しても薬を取り返そうと決心し、以前、仲間だったミキから佐倉の総元締がユリという女であることを聞き出した。ユリのマンションに乗り込んだが、薬はすでに佐倉が捌き始めていた。最後の手段としてマヤはユリを囮に使い、佐倉から薬の代金500万円を受け取ることに成功した。この金でスウェーデン行きが可能になったチャーリーは、マヤたちと共に隠れ家でパーティーの準備をしていた。しかし、佐倉の密告でMPがやって来てチャーリーは逮捕されてしまった。その上、マヤのもとに佐倉から一通の挑戦状が届けられた。翌日、マヤは自分たちの手で決着をつけようとノボ、サブには知らせずに約束の場所へと向かう。後を追ったサブ、ノボも加わって乱戦になるが、佐倉はサブを射殺、その場を逃げ去った。


黒沢のり子                                  岡崎二朗

題名:野良猫ロック マシン・アニマル
監督:長谷部安春
企画:葛生雅美
脚本:中西隆三
撮影:山崎善弘
照明:高島正博
録音:片桐登司美
美術:佐谷晃能
擬斗:田畑善彦
編集:丹治睦夫
音楽:たかしまあきひこ 挿入歌:梶芽衣子「明日を賭けよう」
現像:東洋現像所
製作担当者:柴垣達郎
助監督:田中登
色彩計測:小清水忍
スチール:目黒祐司
出演:梶芽衣子、藤竜也、范文雀、郷鍈治、岡崎二朗、山野俊也、亀山靖博、高野沙里、黒沢のり子、小島克巳、氷室政司、青山ミチ、太田とも子、松田英子、沢村和子とピーターパン、ズーニーブー
1970年日本・日活/シネスコサイズ・カラー82分35mmフィルム
野良猫ロック マシン・アニマル -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


梶芽衣子                   野良猫ロック マシン・アニマル

野良猫ロック マシン・アニマル

映画「不良番長 一攫千金」


「不良番長 一攫千金」谷隼人、梅宮辰夫

山城新伍、谷隼人、梅宮辰夫、鈴木ヤスシ           大信田礼子

今回は野田幸男監督1970年製作「不良番長 一攫千金」をピックアップする。
本作は、梅宮辰夫さん主演の不良番長シリーズ第7弾になる。
第7作にもなると、そこそこの興行収入がないと持続しないのがプログラムピクチャーズの常だが、人気があったのだろう。
パターン化したラストのどこからともなく出てくるシュマイザー自動機関銃と大砲は、パロディとしか言いようがないが、どことなく見てしまう。これが人気を維持した感覚かもしれない。


夏珠美                                                                中田博久、 菅原文太

【ストリー】
カポネ団・神坂(梅宮辰夫)とタニー(谷隼人)の思いついた新商売は、風俗嬢相手のマッサージ師。この珍商売順調なスタートで大阪から上京したスタミナ五郎(山城新伍)も仲間に加わった。3人はホステス引き抜き作戦を開始したが、大倉組の経営するキャバレーに手を出し、睨まれてこの仕事も行き詰り。メンバー不足に困っていた神坂等は、桃代(大信田礼子)、ジャブ(鈴木ヤスシ)、バイキング(団巌)、生活(田中春男)、ブラン子(夏珠美)を仲間に加えた。そして、ブラン子が海洋タイムズ社社長・緑川(富田仲次郎)から盗んだ汚職のからむテープをネタに、神坂等はその声主の東亜船舶社長、酒井(佐々木孝丸)と旭造船技術重役三浦(山本麟一)相手のどでかい仕事に取りくんだ。一方、緑川ら3人はテープをとり戻すよう大倉組に依頼、そのため、桃代が殺された。その夜神坂は少年院時代の仲間で今は大倉組の客分、桐原(菅原文太)に再会。桐原はこの一件から手を引くよう迫るが、神坂は拒否した。神坂は海洋タイムズの脱税を密告、緑川、安田(北川恵一)は警察に連行された。神坂のためにさんざんな酒井、大倉はブラン子をリンチ、さらにカポネ団のアジトを襲撃、生活、バイキングを殺した。その死体の前で、復讐を誓った神坂等4人は寝返った桐原の加勢を得て、酒井、大倉をマシンガンのえじきにした。


田中春男                                                            不良番長 一攫千金

題名:不良番長 一攫千金
監督:野田幸男
企画:矢部恒、吉田達
脚本:山本英明、松本功
撮影:飯村雅彦
照明:川崎保之丞
録音:内田陽造
美術:藤田博
装置:石井正男
装飾:田島俊英
擬斗:日尾孝司
記録:高津省子
編集:田中修
音楽:八木正生 主題歌:梅宮辰夫「番長 シャロック」
現像:東映化学
製作主任:坂上順
助監督:深町秀熙
スチール:遠藤努
出演:梅宮辰夫、大信田礼子、夏珠美、菅原文太、谷隼人、山城新伍、鈴木ヤスシ、田中春男、八代万智子、和田アキ子、黒沢のり子、団巌、由利徹、山本麟一、須賀不二男、富田仲次郎、佐々木孝丸、北川恵一、小林千枝、大泉滉、小林稔侍、和田アキ子
1970年日本・東映東京撮影所/シネスコサイズ・カラー88分35mmフィルム
不良番長 一攫千金 -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


谷隼人、梅宮辰夫、山城新伍、鈴木ヤスシ

映画「音楽」

音楽音楽
細川俊之                  黒沢のり子

今回は増村保造監督1972年ATG製作作品「音楽」をピックアップした。
原作が三島由紀夫氏である事と主演の黒沢のり子さんの大胆なヌードで話題となった作品だ。私は新宿のATGで観た記憶がある。確か映画プログラムも持っていた。
今見ると「随分お金のかかってない作品だなぁ」と思うが、ATGの制作費は公称1,000万円で賄ったのだ。作品は場面数が少ない分、設定のチョッとオーバー目な演技と俳優陣に引き込まれてしまった。

音楽音楽
森次浩司

本作は大映で「兵隊やくざ」「陸軍中野学校」などのヒット作を生み出した増村保造監督作品である。
テレビドラマでも大映ドラマと言われた路線を確立した「ザ・ガードマン」「山口百恵・赤いシリーズ」「スチュワーデス物語」などの監督・脚本を担当された。
1980年に日本とイタリアの合作映画「エデンの園(GIARDINO DELL’EDEN)」を監督されたが、1986年11月に62歳で亡くなられている。

音楽音楽
高橋長英                    横山リエ

【ストリー】
汐見は都心のビルに診療所を持つ若く有能な精神分析医である。ある日、診療所に若く美しい女性が現われた。彼女は、音楽が聞こえない、と言うのである。彼女はテレビやラジオを聞いても、セリフや物音は明瞭に聞えるが、伴奏音楽だけが耳もとから消えて索莫としてしまう。それから彼女・麗子は自分のことを話し出した。彼女の家は地方の旧家で、東京の女子大を出ると、東京で貿易会社に務めたこと、現在の恋人は同僚の江上という青年であること、少女時代、親の決めた婚約者俊二に処女を奪われ、そのことを江上に告白できず悩んでいるのだと話した。治療は回を重ねていった。そして、汐見は麗子が音楽が聞こえないというのは嘘で、実は江上とのセックスを感じないということを知った。そこで汐見は治療を自由連想法にきりかえ、心に浮んだことをすべて語らせることにした。麗子の幻想--子供のころの麗子。切紙をしている。青い折紙が青空に変り、鋏が空を切る。黒い割れ目から走り出す牛。牛の角が男のものに変り襲いかかる。鋏をみがいている麗子。その鋏がいつの間にか巨大になり麗子の両脚になる。美しい麗子の伯母がいる。麗子の寝ている隣の部屋の伯母のところに、黒いシャツに黒いズボンの若い男が忍び込む。もつれ合う二人--。汐見は男のものになる鋏は麗子の良心、女の脚になる鋏は麗子の欲望であることを告げ彼女が男を愛しながら男を憎んでいることを看破し、それは子供のころの異状なセックス経験に起因していると判定する。麗子は遂に告白した。少女時代、兄に愛撫されたこと、黒いシャツの男は兄で、伯母とのことが世間に知れ兄は家出してしまったこと、そして江上と初めて会った時、彼は黒シャツと黒ズボンで兄そっくりであったから好きになった、と。数日後、癌で危篤の俊二を見舞ったとき、麗子はやせ細った彼の胸に彼女の手を当てると恍惚とした表情で「音楽が聞こえる」と叫ぶ。又海岸で不能を嘆き自殺しようとしている青年・花井を抱き、男をよみがえらせる。「私が感じるのは病人か不能の相手だけ」と当惑する麗子。麗子の不感症は治っていなかった。汐見は兄のことを問いつめていった。麗子の回想--女子大の寮にやくざじみた男が訪ねてくる。兄である。まるで恋人同志のような二人。兄のアパートで話していると情婦が帰ってくる。女は兄が妹だといっても信用せず、正直に白状したら帰してやると言う。兄は子供の頃から麗子を好きだと言うと、女はその証拠を見せろと迫る。兄は麗子を抱きすくめる。うめき、あえぐ麗子。ベッドのそばに光る鋏、それを手にする麗子。しかし、兄を刺すことも、自殺もできない麗子。鋏が手から落ちる--。彼女の告白を聞き終えた汐見は、治す方法は唯一つ、もう一度兄に会わなければならない、と麗子に言いきかす。荒れ果て、汚れ、世帯じみた兄の部屋。赤ン坊が泣いている。唖然とする麗子、目から涙があふれる。汐見は全てを理解した。麗子の真の欲望は兄の子供を生むことだったのである。そのためには自分の子宮をいつも空けておかなければならない。だから病人や不能者にだけは楽しめるのである。不感症は子宮を守る努力だったのである。しかしその努力は無駄骨になってしまった。兄の子供はもう生まれてしまったのだ。「これで貴方の病気は治りました」と汐見は優しく麗子に言うのだった。それから一週間後、汐見のもとに麗子から電報が届いた。『オンガクオコル」オンガクタエルコトナシ」エガミ』

音楽音楽
藤田みどり

題名:音楽
監督:増村保造
製作:藤井浩明
原作:三島由紀夫
脚本:増村保造
撮影:小林節雄
照明:越村高幸
美術:間野重雄
編集:中静達治
音楽:林光
出演:黒沢のり子、細川俊之、高橋長英、三谷昇、藤田みどり、森次浩司、横山リエ
1972年日本・ATG/スタンダードサイズ・フジカラー103分35mmフィルム
音楽 [DVD]
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。

音楽