映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」


ブラッド・ピット             ラクパ・ツァムチョエ、デイヴィッド・シューリス

今回はジャン・ジャック・アノー監督1996年製作「セブン・イヤーズ・イン・チベット(SEVEN YEARS IN TIBET)」をピックアップする。内容は、神秘的な禁断の地チベットを舞台に、若き日のダライ・ラマと伝説の登山家ハラーの交流を描いたものだが、劇中にチベット人を虐殺した人民解放軍(紅軍)の士官が傲慢な人物として描かれている事に、中国政府が抗議し、撮影でチベットに入国出来ない為、大半をアルゼンチンで行われ、中国全土で上映禁止となった。圧力に屈せず史実を描こうとした監督の熱意が伝わって来る作品である。


インゲボルガ・ダプクナイテ         ジャムヤン・シャムツォ・ワンジュク

【ストリー】
1939年秋、ナチス統制下のオーストリア。有名な登山家ハラー(ブラッド・ピット)は身ごもった妻イングリッド(インゲボルガ・ダプクナイテ)も顧みず、彼は同国人のペーター・アウフシュナイダー(デイヴィッド・シューリス)と共に、ヒマラヤ山脈の最高峰、ナンガ・パルバットを目指して旅立った。幾多の危機を乗り越えながら、彼らの探査行は続けられたが、思わぬ雪崩によって断念せざるを得なくなる。その頃、第二次大戦の戦火は日増しに激化し、情勢はハラーたちにとって思わぬ方向に進んでいた。彼らはイギリス軍のドイツ宣戦布告によってイギリス植民地のインドで捕らえられ、戦犯の捕虜収容所に送られてしまう。ハラーは何度となく無謀な脱走を試みるが、すぐに連れ戻される。そんなある日、故国に残したイングリッドから離婚届けが届いた。自己中心的な生きかたをしてきたハラーにとって、初めて味わう大きな悲しみと挫折だった。彼は鉄条網に体をぶつけ、自らを傷つけることで、感情の捌け口を見いだそうとする。収容所生活も2年を超えた42年9月。作業員を運ぶインド人に化けた2人は、監視の目を欺いて脱出し、そこからハラーは単独で逃亡した。追跡を逃れて過酷な自然環境の中での逃避行を続け、ついにアウフシュナイダーと再会を果たした。足掛け2年に渡る長い逃避行を経て、45年、2人は外国人にとって禁断の地チベットのラサに辿り着いた。黄金宮に輝くポタラ宮殿。世界の屋根とうたわれるヒマラヤ山脈の壮大な眺め。宗教のもとに生きるラサの人々の純潔な精神。ハラーにとっては心洗われることの連続だった。犬のエサを盗み食いしようとした時に助けられた、政治階層のツァロン(マコ)はハラーたちのよき理解者となり、あらゆる援助の手を差し伸べてくれた。また、チベットの貴族ンガワン・ジグメ(B・D・ウォン)の特別な計らいで、若く美しい仕立屋ペマ(ラクパ・ツァムチョエ)の元を訪れ、洒落た服を仕立ててくれた。ハラーたちも、ラサの人々に大して自らの知識を惜しみなく与えた。そんな中、ハラーはダライ・ラマの母親(ジェツン・ペマ)の家に招待される機会を得、彼はそこで若き宗教指導者ダライ・ラマ(ジャムヤン・シャムツォ・ワンジュク)の家庭教師を依頼される。西洋文明に大して大きな興味を示すダライ・ラマに、ハラーは英語や地理などを教えながら、深い友情と魂の交流を重ねていく。二人の精神の絆が深まるにつれ、利己主義だったハラーは初めて無私の境地を体験し、心の変化をなし遂げていく。しかし、それまで微妙な関係にあった中国政府とチベットの間の緊張が、急激に高まっていく。中華人民共和国が成立し、突然やって来た中国全権大使(ヴィクター・ウォン)の要求に、ダライ・ラマは平和的な精神性を説き、宗教を否定する全権使節を怒らせる。ダライ・ラマは中国の侵略によってチベット人の多くの命が無残に失われる夢にうなされるが、不幸にもそれは現実となった。51年、激動の中でハラーはチベット滞在に終止符を打つ。ラサを去るにあたり、ペマと結婚してチベットに家を構えたアウフシュナイダーとの別れのバター茶を酌み交わすハラー。そして、自分の魂を変えてくれたダライ・ラマとの別れ。ダライ・ラマは、即位した説きから大事にしていたオルゴールをハラーに友情の証としてハラーに与え、愛用の望遠鏡で去っていく彼の姿をいつまでも見守るのだった。


ブラッド・ピット          セブン・イヤーズ・イン・チベット(SEVEN YEARS IN TIBET)

題名:SEVEN YEARS IN TIBET
邦題:セブン・イヤーズ・イン・チベット
監督:ジャン・ジャック・アノー
製作総指揮:リチャード・グッドウィン、マイケル・ベスマン、デイヴィッド・ニコルズ
製作:ジャン・ジャック・アノー、ジョン・エイチ・ウィリアムズ、イエン・スミス
原作:ハインリヒ・ハラー
脚本:ベッキー・ジョンストン
撮影:ロベール・フレス
美術:アト・ホアン
衣装:エンリコ・サバッティーニ
編集:ノエル・ボワソン
音楽:ジョン・ウィリアムス
撮影機材:パナビジョン U.K.
現像:テクニカラー
出演:ブラッド・ピット、デイヴィッド・シューリス、B・D・ウォン、ダニー・デンゾンパ、ヴィクター・ウォン、インゲボーガ・ダプクテイナ、ジャムヤン・シャムツォ・ワンジュク、ラクパ・ツァムチョエ、ジェツン・ペマ
1996年アメリカ/シネスコサイズ・カラー136分35mmフィルム
セブン・イヤーズ・イン・チベット -DVD-
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ブラッド・ピット          セブン・イヤーズ・イン・チベット(SEVEN YEARS IN TIBET)

映画「エグゼクティブ・デシジョン」


カート・ラッセル                 スティーヴン・セガール

今回はスチュワート・ベアード監督1996年製作「エグゼクティブ・デシジョン(EXECUTIVE DECISION)」をピックアップする。テロリスト集団にハイジャックされたジャンボジェット(B747)を舞台に、乗客の生命とワシントンD.C.壊滅を回避するために戦う男たちの活躍を描いた本作は、「ダイ・ハード2」など数々の作品の編集を手掛けたスチュワート・ベアード氏の初監督作品となる。観客を飽きさせる事なく緊張感が不断に続く構成は見事である。


ハル・ベリー                   デイヴィッド・スーシェ

【ストリー】
ワシントンDC行きの747型ジャンボ・ジェット機がハイジャックされた。テロリストの主犯格ハッサン(デイヴィッド・スーシェ)は、先日、イギリスで逮捕された組織のリーダーの釈放を要求する。緊急会議の席上、米陸軍情報部顧問のデイヴィッド・グラント博士(カート・ラッセル)は「世界一殺傷力の強いソ連製の毒ガスDZ-5を盗んだ彼らは、ワシントン攻撃を狙っている」と、驚くべき仮説を立てる。3ケ月前、彼の計画立案で、オースティン・トラヴィス中佐(スティーヴン・セガール)の率いる米陸軍テロ対策特殊部隊がトリエステ郊外で毒ガス奪回作戦を決行したが、失敗に終わっていた。大統領を中心とした危機対処委員会は、グラントの仮説を無視してジャンボ機をワシントンに着陸させ、地上4千万人の命を危険にさらすか、それとも米空域に入る前に同機を爆破し、400名の乗客を犠牲にすべきか、苦しい選択を迫られる。答えが出ないままトラヴィスは、まだ実験段階にある空中輸送機を大西洋上8000mの地点でジャンボ機とドッキングさせ、秘密裡に特殊部隊のメンバーを機内に送り込むことを提案する。作戦は認められ、トラヴィスはラット(ジョン・レグイザモ)、キャピー(ジョー・モートン)、ルーイ(B・D・ウォン)、ベイカーの腹心の部下たちに加え、全く実戦経験のないグラントを選ぶ。彼は戸惑う間もなく、輸送機を設計したケイヒル(オリヴァー・プラット)を加えたメンバーと共に、輸送機に乗り込んだ。途中、グラントとトラヴィスは3ケ月前の作戦のことで反目しあい、緊張した空気は部下たちにも伝わる。輸送機は無事、ジャンボ機との接続に成功し、メンバーは次々と乗り込んでいく。ところが、激しい乱気流が発生し、このままでは両機とも大破しかねない。輸送機に残されたままのトラヴィスは、必死に手を伸ばすグラントに、笑顔で「頼んだぞ」という言葉を残し、輸送機を切り離してしまう。トラヴィスを乗せた輸送機は爆発炎上し、地上との連絡は一切絶たれてしまった。一方、米国防総省内では、レーダーから突如輸送機が消えたことから動揺が走る。トラヴィスを失った今、グラントには一度も組んだことのない彼に、不信感を抱くメンバーが残された。にわか仕立ての6人のチームは、限られた時間内で、テロリストたちに見つかることなく、機内の狭い空間を移動しながら、毒ガスと起爆装置を発見しなければならない。しかも、グラントは起爆装置を持つ人間(=スリーパー)は、武装したメンバーの中ではなく、一般の乗客に紛れ込んで乗っていることに気づく。グラントは、勇敢なスチュワーデスのジーン(ハル・ベリー)と連絡を取り、彼女の強力を得て、一歩一歩作戦を進めていく。一方、侵入者の存在に気づいたハッサンも警戒を厳しくする。そして、ついに大統領命令が下され、海軍戦闘機がジャンボ機に迫っていた。グラントたちは機転を効かし、ジャンボ機の機体のランプを利用したモールス信号で爆撃機のパイロットに無事を知らせ、撃墜の危機は回避された。ジーンの機転でスリーパーを見破ったグラントは、機内に乗っていた警官との連携でスリーパーを倒し、起爆装置は解除された。銃撃戦が開始され、テロリスト一味は全員倒されるが、ハッサンがパイロットたちを射殺したため、操縦する者のいない機は失速する。小型飛行機の操縦経験しかないグラントが操縦桿を握り、ジーンの協力で着陸を試みた。危機一髪、機は無事に着陸に成功し、乗客の生命は救われた。


エグゼクティブ・デシジョン(EXECUTIVE DECISION)

題名:EXECUTIVE DECISION
邦題:エグゼクティブ・デシジョン
監督:スチュワート・ベアード
製作総指揮:スティーヴ・ペリー
製作:ジョエル・シルヴァー
脚本:ジム・トーマス、ジョン・トーマス
撮影:アレックス・トムソン
録音:リック・アレクサンダー
美術:テレンス・マーシュ
編集:ダラス・プエット、フランク・J・ユリオステ、スチュワート・ベアード
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
撮影機材:パナビジョン
特機機材:CHAPMAN
現像:テクニカラー
出演:カート・ラッセル、ハル・ベリー、スティーヴン・セガール、ジョン・レグイザモ、オリヴァー・プラット、ジョー・モートン、デイヴィッド・スーシェ、B・D・ウォン、J・T・ウォルシュ
1996年アメリカ/シネスコサイズ・カラー132分35mmフィルム
エグゼクティブ・デシジョン -DVD-
本作はゲオ宅配レンタルでご覧になれます。


エグゼクティブ・デシジョン(EXECUTIVE DECISION)